書家 山本祐司 −正統と品格 清新な雅趣の創造− 本文へジャンプ

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2006年掲載

鳥が啼く朝の海辺

 

鳥啼歌

 

りなくこゑす ゆめさませ みよあけわたる ひんかしを
そらいろはえて おきつへに ほふねむれゐぬ もやのうち

 

鳥啼く声す 夢醒ませ 見よ明け渡る 東を
空色映えて 沖つ辺に 帆船群れ居ぬ 靄の中

 

この和歌は、朝の海辺の爽やかな情景が詠まれています。

いろは歌と同様に、全てのひらがなを使いつつ、

ひとつのひらがなは一度しか使っていません。

明治36年に「萬朝報」という新聞社が、
ひらがな47文字を組み合わせた和歌を公募しました。
そのときに第一席に選ばれた和歌で、坂本百次郎さんが作りました。
美しい風景を思い起こさせる和歌です。

参考までに、いろは歌は、

いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす

(いろは歌には「ん」は使われていません)

 

は匂へど 散りぬるを 我が世誰そ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて 浅き夢みじ 酔ひもせず

 

他にも同様の和歌は数点ありますが、この2点を紹介しておきます。