書家 山本祐司 −正統と品格 清新な雅趣の創造− 本文へジャンプ

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2007年掲載・2019年改訂

書の教室

 

書道を習うというと、正座して墨を磨って、黙々と稽古する、

あるいは和服を着て、礼儀作法を重んじて、髭を伸ばした老先生がいる、

または会派や流派にこだわる世界では展覧会でいろいろとある、など、

人によって、さまざまなイメージがあるようです。

 

自由な発想で文字を書くのがいいと思っておられる方もいらっしゃいます。

変わった字を書きたい、自由にくずし字を書きたい、筆文字で自分を表現したい、

そのような、書でアート、というイメージも書のジャンルに入れてもいいと思います。

 

書道のイメージは千差万別であり、教室のイメージも千差万別。

本質を見失わないこと、世間の俗塵に惑わされないこと、これが大切だと思います。

 

私の、雑感のページでは、本格とか本質といった言葉が出てきますが、

これは自分自身の作品制作にあたっての基本的な理念です。

奇を衒って、筆をこねくり回したような作品では作品の品位を落とす、

人目を得るためにデタラメなことをしてはいけない、というのは私の思想ですが、

この考えかたを書に興味を持った方に押し付けているわけではありません。

 

2007年11月から、游時会という書道教室をスタートしました。私の教室は、

純粋に書道を楽しみたいという思いを持った方々が集まって作られました。

游時会の游時とは、書の時間を遊ぶ、という意味が込められています。

この会の名前は、後に雅人会(がじんかい)という名前に改められました。

雅人会とは、雅人深致(がじんしんち)という言葉から来ています。

雅人深致とは、高尚な人の奥深い趣という四字熟語です。

ある人にとっては余暇を楽しむ遊びとして伸びやかな心で書に親しみ、

ある人にとっては本格的に書を学ぶ場として、本会が存在していることが

本会の存在する価値であり醍醐味でありましょう。

 

手本を見て稽古するだけではなく、その時々に書いてみたいものを練習し、

いずれは自分の様式(スタイル)で表現していただけたらいいなと思います。

 

また、余力があれば、本格の美しい技法で書いた書を知っていただいて、

書道史や書論などにも興味を持って、幅広く書に接する機会を持つと、

人生をより楽しむためのすばらしい見識が広がっていくと思います。

 

空海に興味を持ったから空海の書を臨書してみようとか、

掛軸に漢詩を書きたいから大きな紙に取り組んでみようとか、

そのような勉強の方法もいいと思いますし、

年賀状をおしゃれに書いてみたり、1文字をポストカードに書いてみたり、

もちろんお稽古として半紙の稽古を繰り返しやってもいいと思います。

それぞれの興味にあわせて、資料を用意しています。

 

書道と美術、書道と現代アート、書道とデザイン、といった発想の方や、

精神修養、稽古鍛錬、という発想の方が同居していいと思います。

そのうちに、あぁなるほど書とはこういうものか、というのがわかってくると面白い。

 

せっかく書に取り組んでいますので、

会員の展覧会として日本雅人会書展を開催しています。

裏打ちや表装(作品の仕立て)、刻字や篆刻についての講座をしたり、

作品鑑賞会や書道史や書論の勉強をしたりすることも検討しています。

 

用具の使い方や基本的な筆づかいから、作品の制作についてまで、

楽しく書に親しみながら、書で遊ぶひとときを提供していきたいと思います。