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活字は正しい楷書?
活字(明朝体)を見て、文字の正しい形を考えようとする方がいらっしゃいます。
例えば、しんにょうは、点が1つか、2つか。
例えば、令や冷の「マ」の形について。
例えば、「之」の形について。
このホームページの文字も、活字の形で表記されていることでしょう。
普段は何気なく「しんにょう」を書いていても、活字をよく見ると、
逍と遥、辻と道、邊と辺、謎と迷・・・。
点が1つと2つのものがあります。
新聞でも広げて、活字をご覧になってみてください。
手書きでは、しんにょうは、1つの点を書いたあと、
「ろ」の形を書いてから、右ハライを書きますね。
活字では、「ろ」の形にはなっていません。
点を書いてから、「コ」のような形になっています。
手書きの文字の形と、活字の文字の形には、差異があるのです。
活字を基準にして文字の形を考えようとする方は、
普段の手書きの文字でも、しんにょうは「ろ」ではなく「コ」にしたり、
あるいは、人、入、北、外、糸、などの文字を、
活字と同じ形で書いていらっしゃるのでしょうか。
飯と餌も、同じ活字でありながら、食ヘンの形が違います。
しんにょうの点の数も、飯と餌の食ヘンも、活字をデザインする上で、
たまたま、それぞれ違った形が、混在してしまっているのです。
手書きでは、しんにょうも、食ヘンも、形を書き分けません。
人、入、なども、活字のような形には書きません。
1000年以上の長い期間、書き続けられている、手書きの楷書。
印刷用として、活字としてデザインされた楷書。
活字では、同じ部首やパーツであっても、デザインの過程によって、
特殊な形(一般的に手書きでは書かない形)のものが混在している場合があります。
活字を正しい文字の基準として考えると、同じ部首やパーツでも、
文字によって、形を変えなければならない、ということになってしまいます。
役所で発行する住民票なども、現代は活字で印刷する時代です。
卒業証書などでも、うちの子の名前の文字の形はこうだから、といって、
活字と同じように書いてほしいというご指摘を受けることがあります。
(活字の形を、正しい文字の形だと認識しているんだなぁ…。)
でも、それは活字の形。活字としてデザインされた形。
手書きの楷書と、活字の文字の差異について理解すると、
活字を正しい文字の基準とするような勘違いは、防げるかもしれません。
手書きと活字の形の差異については、
日本における漢字使用の基準である、常用漢字表(文化庁)においても、
手書きと活字は文字の形が違うんですよ、ということを明記しています。
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