書家 山本祐司 −正統と品格 清新な雅趣の創造− 本文へジャンプ

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2010年掲載・2019年改訂

石川丈山と富士山

 

石川丈山。京都の詩仙堂で隠棲生活をしていた文人。

愛知県安城市の出身で、徳川家康の家臣をしていた人です。

大坂夏の陣のとき武功も立てましたが、理由があり武士をやめました。

儒学、庭園、漢詩、茶にも精通していて、煎茶の祖ともいわれています。

 

今に残る京都詩仙堂のほか、東本願寺の渉成園の作庭も丈山と伝わっています。

その丈山の有名な漢詩、富士山。

 

仙客来遊雲外いただき (いただき・山冠の下に真頁)

神龍栖老洞中淵

雪如がん素煙如柄 (がん・糸扁に丸)

白扇倒懸東海天

 

神仙が来て遊ぶ、雲の上の山頂。

富士山の池には龍が長く住んでいる。

山の雪は白い絹のようであり、

山から立ちのぼる煙は、柄のようにすっと伸びている。

その姿は、白い扇をさかさまにして、日本の空に掛けたようである。

 

これは漢詩を吟じる、詩吟の世界でも有名な漢詩です。

詩吟と書の実演を一緒に演じる書道吟などでも、

きっとこの漢詩は行われているのではないでしょうか。

 

ある場所でこの漢詩を大きな布に書いて見せたら、

詩吟をやっている方が吟じてくださいました。

しばしば、私は書道実演でこの漢詩を書きますので、

ここにご紹介しておきます。